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2024年1月10日

低温火傷に注意

 

冬になると、人間が寒さから身を守るために電気アンカやカイロを使用するように、犬も暖房器具を活用して防寒対策をすることが一般的です。ただ、犬の被毛は熱を伝えにくい一方で、低温やけどのリスクがあることが指摘されています。今回は犬の低温やけどについてお話します。

 

低温火傷とは?

体温よりも少し高い温度の熱源に、身体の同じ部位が長時間接触することで起こるやけどが低温火傷です。犬の場合は、だいたい44℃〜50℃程度です。私達が入るお風呂の温度が約40℃ですので、それよりも少し高めの熱さだと考えてください。ちなみに人間の場合でも、44℃の熱源に3〜4時間、46℃の熱源に1時間程度の間、継続的に接触していると低温やけどになると言われています。やけどのレベル(ひどさ)は、熱源の温度と、その熱源に接触していた時間を掛け合わせて決まります。つまり、熱源の温度が低くても、長時間接触していればどんどん重症化していきます。

 

犬の被毛に注意

ここで注意していただきたいのが、犬の全身を覆っている被毛です。被毛は彼らの皮膚や身体を守っていますが、前述の通り、犬に熱を伝えづらくします。さらに、もう一つ被毛のマイナス面は、飼主が犬の皮膚の異変に気付きづらくなるという点です。日頃から犬の皮膚のチェックは大切ですが、特に暖房器具を使用する時期にはこまめに、そして念入りに皮膚をチェックするように心掛けてください。

 

犬の低温火傷の症状

軽度の赤みに続き、中程度の腫れ、痛み、時には水ぶくれ、さらに重度の皮膚の壊死や神経の損傷、感染症と治療に1ヶ月以上かかったり時には皮膚移植が必要になる場合もあります。特に長時間暖房器具の上に留まっていたり、高齢の犬や感覚が鈍っている犬は、より慎重な注意が必要です。
犬が同じ部位を気にして舐め続けている、または特定の場所を触ると嫌がるような場合は、低温やけどの可能性があります。

 

予防はどうする?

具体的に気を付けていただきたい暖房器具を挙げると、ホットカーペット、ペットヒーター、こたつ、湯たんぽ、ストーブなどです。これらの熱源に、犬の身体が長時間、直接接触または接近しすぎることで、低温やけどが起こります。
・湯たんぽなど:直接体が触れないように、専用のカバーを利用したり毛布やタオルなどを巻いたりしてから使用する

・ペット用ヒーター:直接上に乗せずにマットや毛布を敷いておく。温度は38℃程度に設定する

・こたつ:時々布団をめくって温度を下げる

・犬が自ら暖房器具のそばを離れない場合は、飼い主様が強制的に移動させる

・サークルやケージなど、狭い場所でペット用ヒーターなどを使用する場合:必ず温められていないスペースができるようにしておく(自分で熱さから逃げられるようにしておく)

・老齢や幼齢で、あまり動けずに長時間同じ寝床で過ごす場合:電気を使わない温かい寝床(湯たんぽや毛布などの活用)とエアコンによる防寒を行う

・エアコンを使用できない場合:温かい寝床と最も寒い時間帯に3時間程度で切れるようにタイマー設定した電気ヒーター等の組み合わせで防寒する

・ストーブ:その周囲を柵等で囲って熱源に近寄れないようにする

 

最後に

犬も人と同じ様に寒いより温かいほうが好きです。
犬が長時間過ごす場所の温度調整に十分な注意を払って快適な温度で過ごせるようにしてください。
犬の座る場所や寝る場所には、直接的な暖房器具の触れないようなクッションやブランケットを敷くことで、十分な絶縁材を提供します。

また、 犬が同じ場所に長時間とどまることで低温火傷のリスクが高まります。
使用中の暖房器具の近くにいるときは、定期的に場所を移動させてください。
そして、被毛の下の皮膚を観察し異変を早期に察知することで、必要に応じて対処するできるようになります。

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