こういうことで迷っていませんか？

「犬や猫の避妊・去勢はしたほうがいいの？」「いつ頃受けるのがいいのか分からない」「手術が必要だとは思うけれど、不安もある」など、避妊・去勢については多くの飼い主さまが一度は悩まれるテーマです。病気ではないからこそ、判断のタイミングや考え方に迷いが生じやすい分野でもあります。

避妊・去勢手術は、将来的な病気のリスクを下げる目的で検討されることがある一方で、年齢や体格、体調、性格、生活環境によって向き合い方が変わることもあります。正解が一つではないからこそ、メリットだけでなく注意点や術後の生活も含めて整理し、納得できる形で選ぶことが大切です。

稲沢市の平和動物病院では、「手術を勧める」ことを前提にするのではなく、その子とご家族にとってどの選択が合っているのかを一緒に整理し、手術を行う場合も術前・術後の見通しを分かりやすく共有することを大切にしています。

こんなときはご相談ください

• 避妊・去勢をするか迷っている
• 手術を受ける時期について相談したい
• メリットや注意点を知りたい
• 発情期の行動が気になっている
• 将来の病気が心配
• 他院で勧められたが判断に迷っている
• まずは話を聞いてみたい

代表的な病気・トラブル

犬でよくみられる避妊・去勢に関わる病気

乳腺疾患（未避妊のメス犬）

未避妊のメス犬では、乳腺にしこりができる病気が見られることがあります。若いうちに避妊手術を行うことで、発症リスクが下がると考えられています。

初期には気づきにくいことも多いため、日頃から体を触る習慣が大切になります。

子宮蓄膿症（未避妊のメス犬）

子宮に膿がたまる病気で、未避妊のメス犬に多くみられます。発情を繰り返すことでリスクが高まるとされ、元気や食欲の低下、多飲多尿、陰部からの分泌物などの症状が見られることがあります。

進行すると全身状態に影響を及ぼすこともあり、早期の対応が重要とされています。避妊手術によって発症リスクを下げられる病気のひとつとして知られています。

前立腺疾患（未去勢のオス犬）

未去勢のオス犬では、年齢とともに前立腺が大きくなり、排尿や排便のしづらさ、血尿などの症状が出ることがあります。ホルモンの影響が関係していると考えられています。

去勢手術によって状態が改善するケースもあり、将来的なトラブルの一因として知られています。

猫でよくみられる避妊・去勢に関わる病気

発情に伴うストレスや行動変化

猫では、発情期になると大きな鳴き声や落ち着きのなさ、食欲の変化などが見られることがあります。体への負担だけでなく、生活面でのストレスにつながることもあります。

去勢・避妊によって、こうした行動が落ち着くケースもありますが、個体差があるため、その子に合った考え方が大切です。

当院の避妊・去勢で大事にしていること

1. する・しないを決める前に、メリットと注意点を整理する

避妊・去勢は、必ずしも急いで決める必要のあるものではありません。当院では、「いつ」「何のために」「どんな変化が起こりうるか」を整理しながら、メリットだけでなく注意点や術後の生活面も含めて分かりやすくお伝えします。ご家族の考え方や、その子の性格・生活環境も踏まえ、納得して判断できるよう一緒に確認していきます。

2. できるだけ負担を減らす手術と、術後管理の工夫

手術は同じ「避妊・去勢」でも、体格や年齢、体調によって配慮すべき点が変わります。当院では、術前に状態を確認したうえで、その子に合わせた麻酔・手術・痛みへの配慮を行い、できるだけ負担が大きくならないよう工夫します。

また縫合では、状況に応じて**吸収糸（ポリジオキサノン系／PDSなど）**を使用することがあり、術後の管理がしやすくなる場合もあります（※適応は状態や部位により異なります）。

3. 手術後の過ごし方まで見通しを共有し、安心して相談できる体制

手術はゴールではなく、その後の生活が大切です。当院では、術後の過ごし方（運動・食事・傷口の確認）や、受診の目安になる変化を具体的に共有します。小さな心配でも相談しやすい関係づくりを大切にし、回復を安心して見守れるようサポートします。

よくある質問

Q1. 必ず避妊・去勢をしなければいけませんか？

必ず行わなければならないものではありません。避妊・去勢は、将来的な病気のリスクや生活面への影響を踏まえて検討される選択肢のひとつです。その子の性格や体調、生活環境、ご家族の考え方によって、選択は異なります。当院では「する・しない」を決める前に、考え方を整理するところからお手伝いします。

Q2. 手術を受ける時期は決まっていますか？

一般的な目安として生後6か月以上1年以内が理想と言われていますが、すべての子に当てはまるわけではありません。成長の度合いや体格、健康状態によって適した時期は変わります。月齢だけで判断せず、その時点の状態を確認したうえでご相談いただくことを大切にしています。

Q3. 手術が不安なのですが、相談だけでも大丈夫ですか？

もちろん大丈夫です。避妊・去勢は「決めてから相談」するものではなく、「迷っている段階で相談」されることも多いテーマです。これまでに6,000件以上の手術を執刀してきた獣医師が手術の内容や流れ、気になる点についてお話しし、ご家族が納得できるかたちで考えていきます。

Q4. 高齢になってからでも手術はできますか？

年齢だけで一律に判断することはありません。高齢の場合は、体調や持病の有無なども考慮したうえで慎重に検討します。まずは現在の状態を確認し、手術以外の選択肢も含めてお話しします。

Q5. 行動は必ず落ち着きますか？

行動の変化には個体差があります。落ち着くケースもあれば、大きな変化が見られないこともあります。当院では、期待できる変化だけでなく、注意点も含めてご説明し、その子にとってどう考えるのがよいかを一緒に整理します。