こういう症状ありませんか？

「下痢や軟便が続いている」「吐くことが増えた」「食欲にムラがある」「元気はあるけれどお腹の調子が安定しない」など、消化器の症状（下痢・嘔吐・食欲不振）は犬や猫の日常の中で比較的よく見られます。一方で、症状が軽そうに見えると「様子を見ても大丈夫かな」と判断に迷われることも少なくありません。

消化器の不調は、一時的な体調変化で落ち着くこともあれば、体質や食事内容、生活習慣が関係して長く続くケースもあります。見た目だけでは判断が難しいからこそ、いつから・どのくらいの頻度で・便や吐いた内容がどう変化したか、食事や環境の変化があったかなど、今の状態を整理することが大切になります。

稲沢市の平和動物病院では、消化器症状について「すぐに治療を決める」のではなく、経過や生活背景を含めて丁寧に確認しながら、今の状態に合った進め方を一緒に考えていく内科診療を行っています。

こんなときはご相談ください

• 下痢や軟便が続いている
• 吐くことが増えた、定期的に嘔吐する
• 食欲にムラがある
• お腹が鳴る、ガスがたまりやすい
• 便の状態が以前と変わった
• 元気はあるが、体調が安定しない感じがする
• 「病院に行くほどか迷っている」

代表的な病気（消化器内科）

犬でよくみられる消化器の病気

胃腸炎（下痢・嘔吐）

犬で非常に多くみられる消化器トラブルのひとつです。急に下痢や嘔吐が出ることがあり、食べ慣れないもの、食事量の変化、ストレスなどが関係していることがあります。

比較的短期間で落ち着くケースもありますが、症状の強さや回数によっては注意が必要です。元気や食欲、水分がとれているかなどを確認しながら、今の状態に合った対応を整理していきます。

慢性的な軟便・下痢

はっきりしたきっかけがないまま、軟便や下痢が続くケースもよく見られます。体質や食事内容、腸の状態が関係していると考えられ、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。

「ずっと下痢というほどではないけれど、安定しない」といった状態も相談の対象です。経過を整理しながら、食事や生活面も含めて向き合っていきます。

猫でよくみられる消化器の病気

嘔吐（吐き戻し）

猫では、定期的に吐く様子が見られることがあり、「猫だから仕方ない」と思われやすい症状のひとつです。毛づくろいによる毛の飲み込みや、食事の影響が関係していることがあります。

回数やタイミングによっては問題ない場合もありますが、頻度が増えてきた場合や、元気・食欲に変化がある場合には、状態を確認することが大切です。

慢性的な食欲不振・体重減少

猫では、はっきりとした症状が出にくいまま、食欲が落ちたり体重が少しずつ減ったりするケースがあります。消化器の不調が関係していることもあり、見た目では分かりにくいことが少なくありません。

「年齢のせいかな」と感じる前に、今の状態を整理することで、今後の選択肢が見えやすくなります。

当院の内科（消化器）で大事にしていること

1. まず「今の状態」を整理すること

消化器症状は、軽く見えるものから注意が必要なものまで幅があります。当院では、まず「いつから」「回数」「便の形・色・におい」「吐いた内容」「食事の内容と切り替え」「おやつ・誤食の可能性」「生活環境の変化」などを一緒に整理し、緊急性の有無と、次に確認すべきポイントを明確にします。

2. 無理のない対応を一緒に考える

すべてを一度に検査するのではなく、症状と経過に応じて優先順位をつけます。例えば、まずは食事・与え方・生活リズムの調整で様子を見るのがよい場合もあれば、脱水や血便、繰り返す嘔吐などがある場合は早めの検査が必要になることもあります。目的とメリット・負担を共有しながら、その子に合った選択肢を一緒に決めていきます。

3. 継続して相談できる関係づくり

消化器の症状は波が出やすく、長く付き合うこともあります。当院では、受診時に「次にどんな変化があれば早めに受診するか」「どのくらいで改善がなければ再相談するか」など、生活の中で迷いにくい目安も一緒に確認します。

よくある質問

Q1. 下痢や嘔吐が少しあるだけでも相談してよいですか？

はい、問題ありません。消化器の症状は、軽く見える段階では判断が難しいことも多く、「少し様子が違う」「いつもと何か違う」という感覚が受診のきっかけになることもあります。大きな異常がなければ、その時点で状態を確認できたこと自体が安心につながる場合もありますので、気になる変化があればご相談ください。

Q2. 元気があれば様子を見ても大丈夫ですか？

元気があることは大切な判断材料のひとつですが、それだけで全てを判断する必要はありません。消化器の不調は、元気そうに見えても体の中で負担がかかっていることもあります。「もう少し様子を見るか迷っている」という段階でも、今の状態を整理する目的でご相談いただけます。

Q3. 食事が原因でお腹の調子が悪くなることはありますか？

はい、あります。消化器症状は、食事の内容や量、切り替えのタイミング、体質などが関係していることも少なくありません。必ずしも「食事が悪い」という意味ではなく、その子に合っているかどうかを見直すことで症状が落ち着くケースもあります。必要に応じて、食事の考え方についてもお話しします。

Q4. すぐに検査や治療が必要になりますか？

必ずしもそうではありません。症状の強さや経過によっては、まず経過を観察することが適している場合もあります。当院では、いきなり検査や治療を進めるのではなく、今の状態を確認したうえで、必要性や選択肢を整理しながら対応を考えていきます。

Q5. 相談だけでも受診して大丈夫ですか？

もちろんです。内科、特に消化器の症状は「受診するほどか分からない」と感じやすい分野です。当院では、症状を整理するためのご相談も大切な診療の一部と考えています。すぐに何かを決める必要はありませんので、気になることがあれば安心してお話しください。